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♯01 ブログ開設にあたり

 

皆さん、こんにちは。Keitaです。

地方国立大の農学部に入学してから、様々なおコメ作りの研究を経て、お金にはつながらない博士号というものまで取ってしまった変わり種です。学士(4年生大学を卒業)や修士(学士+2年)と比べると、博士(修士+3年)は専門性はあるけれど、年齢は高いはプライドは高いは潰しがきかないは、ということで、一般の就職口はかなり限られていると言われています。はい、実際とても限られておりますorz

f:id:mroneofthem:20170121024159j:plain私の就職難事情はさて置いて、このブログを開設した理由は、「日本の農業って勿体ないな」と感じたことに端を発します。というのは、現代は農業も効率化がかなり進んでいて、一昔前は家族総出とか集落単位で助け合ってやっていたことを今では2、3人で回せるようなことが増えてきました。その理由は、農業機械や化学肥料、農薬の性能や品種開発の技術がとても高まったからですが、逆に言えば現場でコツコツ学ぶ下積み期間やマンパワーがさほどなくても、テクノロジーで生産ができるようになったとも言えます。そして、どの業界でもそうですが、作業効率が高まると商品(作物)の値段も下がるので、技術云々よりも金とデカい面積をもってるヤツが市場で強い、ということになります。日本は金と面積ではまったく強くありませんが、本来もっている別のポテンシャルは豊富にあるのに、それを全然活かせていないので勿体ないな、と思うのです。

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おコメで言うと、日本は小さな田んぼに丁寧に育てた苗を植えています。ところが、アメリカやオースラリアは日本の100倍くらいの面積の田んぼに飛行機で種をばらまいていく訳です。効率がまったく違うので、同じ市場で値段で勝負するのは、インパール作戦並に無謀な戦いです。もし同じ土俵で農作物販売で競争しましょう!ということにしたら、日本の農家が瞬間的に潰れてしまうのでそれは困るということで、政府も輸入品に高い関税をかける(おコメはなんと778%!)など、国内の農家を守っている訳です。今日(2017年1月20日)、45代目のアメリカ大統領に就任するトランプさんはTPP(関税フリーの市場を目指していこうぜ契約)不参加を表明していますが、流通テクノロジーの進歩等により市場自由化の敷居が格段に下がっている現代では、時の政権の決定次第では関税撤廃はいつでも起こり得るので、おコメに携わる者としては危機感をもっています。

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そもそも、日本という地域は、地球上で相対的にみると暖かすぎず寒すぎずで、しかも湿っぽく、植物を育てる場所としてはかなり恵まれています。例えばサウジアラビアでは、砂漠で地下水をガンガン吸い上げて肥料ばらまいて作物がとれなくなったら、「とれねぇな!はい!次の場所に移動!」という、センターピボットというもはや気持ちいいくらいの割り切った反サステナブルな農業をやっています。笑 ここまでいくとホントに潔く、持続可能とか環境問題とかを考えている自分が恥ずかしくなるくらいです。その点、日本は元々が植物が育ちやすい地域であることに加えて、何でも夢中になりやすい職人気質も幸いし様々な技術も研究も進み、そもそも稲作の歴史は古いので5円玉や刀の鍔に稲穂が描かれたりと文化的な浸透度も高く、更には寿司や日本酒といった食への出口もたくさんありバリューとしてはかなりいい訳ですね。フランスでいうワイン文化並に物語がある訳です。なんですが、実は日本人がそのことにほとんど気付いておらず、農村でも「昔はおコメ作れば儲かったけどこれからはダメだなー」みたいなムードが普通に漂ってたりします。

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そんな訳で、「日本の農業を○○!」のような大層なことは到底考えておりませんが、せっかくそのような恵まれた日本でおコメ業界に携わっている者として、様々な農家さんと出会い学んだことや分析し分かったこと、考えたことをオープンにして、農業に関心のある他の人の目に触れるようにしておいた方が勿体なくないのでは、と最近おもうようになりました。農業にまつわるサイトや本をみると、学問オンリーや現場オンリーのものは多いと思いますが、学問世界と生産現場を循環するようなものや国による農業の比較等の情報は少ないと思うので、そのあたりをまとめつつ、書いていこうかなと思っています。とは言え、趣味ではじめたブログなので、個人的に関心のあること(メモ目的も含め)を優先的に書いていこうと思っています。