アジア全体がマーケット!これからの米市場
夏草や 兵どもが 夢のあと...
とは、約300年前に松尾芭蕉のおじさんが詠んだ句ですが、
あと100年も経たない内に日本の水田風景も夢のあとになりかねない、と思わせるのがこのニュース。
簡単に言うと「コシヒカリ」とか「ひとめぼれ」とか、
日本で作るってことにこだわらなくてもいいよね?という話。
これもグローバル化によってヒト・モノ・カネが簡単に国境を越えるから為せる技と言ってしまえばそうだし、
日本国内だけのコメ市場だけじゃとても食えないから、という国内農業の困窮話でもある。
なにせこの図をみてください。
コメを食べる人は、日本の何十倍もアジアにいる。
もちろん、これらの国で流通するコメはインディカ米で、日本人に馴染み深いジャポニカ米とは違うので同一視はできません。でも、米食文化が強いことは事実。
加えて、これらアジアの国々は近年の経済発展が著しく、日本食ブームもあって中間層・富裕層が日本産米に手を出し始めているのが最近です。
政府は国産農産物の輸出額増加を目指してはいるが、国内生産はどうしたって高コストになる。だったら需要がある現地で栽培して、現地で卸した方がよっぽど効率的なのは当然の帰結でもあります。
記事内で紹介されているベトナム産日本米の価格は238円/kgと最近の日本産米の値段とさして変わりませんが(ハノイやホーチミンの良さげなお店だと高いです)、僕のベトナムリサーチの経験ではベトナム産米はあと30%減は平気でいけますね。
販売価格の比較
(1)現地庶民が食べるインディカ米 96円/kg
(2)ベトナム産コシヒカリ 160~170円/kg(現地3スーパー)
(3)記事内で紹介されたベトナム産日本米 250円/kg
(4)日本産米 238円/kg
この流れが加速して、アジア産コシヒカリの値段が下がって、日本産米が値段で太刀打ちできなくなってきたら、日本人にこんな疑問が湧いてきます。
「そもそも何で日本で米を作る必要があるの?」
僕は日本で農業をやることに意義があると思ってるんですが、それは無条件にということではありません。じゃあどうゆう農業なら日本でやる意義があるのか?
それは値段以外の点、ということになる。
このブログでは、そんなことをデータを基に考えていこうと思っています。