平成時代の異常災害と農林水産被害を振り返る。
来年で「平成」も終わるということで、平成の異常災害と農林水産被害を振り返ってみました。
用いたのは農水省が公表しているこちらのデータ。
「昭和39年から平成27年までの主な災害と被害額の一覧」
見ると、毎年、台風やら暴風やら津波や地震やら、ひょうやら、干ばつやら、噴火による降灰やら・・・
とにかく天災が飽きることなく毎年毎年。
はぁ~。さすが自然災害大国ニッポン。よくここまでもってますよホントに。
さてさて、被害総額には、①「農林水産物が直接受けた被害」と、②「施設が受けた被害」の2種類がありますが、ここでは面倒なので2つを合わせた被害総額だけ見ていきましょう。
平成元年から平成27年(2015年)までの被害総額の推移がこちら。
平成5年の記録的な冷夏、平成23年は東日本大震災による被害でこの2年が突出してますね。
注目してほしいのが被害額。
縦軸の単位は億なので、平成5年は約2兆、平成23年は2兆7000億いってます。おいおい、そんなにいってるのか・・・
日本の国家予算が大体100兆くらい(2017年)ですから、農業被害額は国家予算の2~3%もいってる訳ですね。こらでかい。
そもそもアベレージで毎年5000億円くらいの農業被害が異常気象により出ている訳です。
最近だと台風による被害が目立ってますが、台風だけの影響のみに注目するとこんな感じ。
平成28年度 食料・農業・農村白書 全文:農林水産省より抜粋
2016年は台風による被害が大きかったので、1596億いってますね。
でも、毎年5000億がアベレージということでいうと、台風だけじゃなくて大雨やら大雪やらと、色々他の要因も合わさって被害額が積もっていく感じです。
農業の総産出額は、大体8兆円代を推移してるので、大体6%くらいの生産額が不安定な気象によって決まってるっちゅうことですよね。こんな産業って他にありますかね?
こんな風に、毎年毎年まるで予想できない天候に大きく左右されるところが、日本農業の産業としての独特の風土を作っているように思います。