おコメ博士の闇米日記

日本農業(特におコメ)について考えるブログです。とりあえず目指せ100記事。

【50記事までの論点まとめ】世界農業の潮流と日本農業の立ち位置

これまでの50記事では主に以下の二つの流れについて述べてきました。

1)20世紀の世界の農業および21世紀型農業に求められるもの

2)戦後の日本農業の経緯と現在の動向

一つ一つ記事を読むのは大変だと思うので、ここまでの経緯を過去記事を引用しながらざっとまとめます。

そもそも農業の発展の本質は、単位面積当たりの生産性向上ですが、特に1940~1960年頃の緑の革命でそのスピードは大きく加速したことを述べました。

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その結果、飢餓の問題解決など大きな功績を果たしましたが、一方で単位面積当たりの生産性自体はほぼピークに達しつつあり、緑の革命による弊害も色々と出てきました。

また、農業も含め人類の経済活動の規模が大きくなったために地球温暖化をはじめとする環境問題が深刻になりつつあります。(農業も意外と地球温暖化に貢献してます↘)

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なので、農業界全体としても地球への負荷を減らす方法を模索・実行する段階に入っており、欧米を中心にSDGs等の新しい枠組みが作られはじめています。

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一方、日本農業全体ではそうした農業への環境対策が進んでいるとは言えず、かといって儲かっている訳でもなく、また税制優遇などが社会的に批判されるなど、北海道農業を除けばジリ貧的状況が長く続いています。

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こうした状況の背景を掴むために戦後の日本農業を振り返ってみると、当初はコメ不足のためコメ増産に大義がありましたが、その後日本人のコメ離れ・コメ余りによって状況が反転し、更に進展するグローバル化で外国産の安価なコメが存在感が増したことで、結果日本の高コストなコメが存在意義を問われるようになった経緯があります。

アメリカ産、中国産のコメは格段に日本産米より安いのです↘

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コメ業界を守らねばならない農水省は、日本におけるコメの意義を、食糧安全保障や食生活や国土・環境などに不可欠なものであることを前提に主張しますが、石油エネルギーに99%依存している農業活動現在も低下を続けるコメ消費量国際基準でみて環境負荷の高い農業を行っているといったように、主張の前提は崩れつつあります。

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それでいて、日本のコメ作りは国際的に高コストであることが尚更コメ業界の居心地を悪くさせています。経産省内閣とも言われる現政権は尚更この日本農業の経済合理性の悪さを追求することで改革を迫ります。圧力に押される形で農水省は国際競争力に後れをとるまいと、直播やICT利用などを通じた低コスト化を目指しますが、アメリカやオーストラリアのスケールを考慮すれば限界があり、テクノロジー利用はそのスケールメリットを拡大します。すなわち低コスト化は好ましいことですが、低コスト化のみでは国際的な差別化は不可能です。

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グローバル化する世界の中で、小さな農地面積しかもたない日本にそれでも農業(コメ)が必要だと仮定するなら、少なくとも以下の二つの短所を打ち消す長所がなくてはいけません。

1)エネルギーの輸入石油依存

2)国際基準でみて高コスト

です。この前提は現実的に考えてそう簡単には覆らないからです。

すなわち、日本農業に正当性があるとすれば、石油依存で高コストだが、それでも価値のあるコメ作り、ということになります。

では、石油依存で高コストだが価値あるコメ作り、とは具体的にどんなものでしょうか?

そもそもそんなものがあるでしょうか?

多くの人は無理だと考えますが、私はそうは思いません。

そしてまず、その問いに答えるために必要な作業は、日本農業の相対的評価だと私は思います。

世界基準でみたときに、日本農業にはどのような特徴や価値があるのか?

なにが長所でなにが短所なのか?

この点を、今後の記事では考えていきたいと思います。