おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

ポストトゥルース時代の『不都合な真実』

たまたま駅のKIOSKで時間を潰していたら、まだ読んでいなかったアル・ゴアの『不都合な真実』が文庫本で売っていて1分くらいななめ読み。

2007年に出版された本なので、もう10年以上も前に書かれたものですけど、ポストトゥルースと言われる現代にはBINGOなタイトル。

まさに地球温暖化AN CONVINIENT TRUTH(不都合な真実ですからね。

本はチラッと見た限り写真が多いし、Q&A方式をとっていたりで、評判にもあるようにかなり分かりやすそう。今、新しいバージョンの映画も公開されています。

futsugou2.jp

応援コメントに全国区で有名な気象予報士や気象学者が結構入っていて、絶賛していたり。2007年の出版当時も、坂本龍一とか筑紫哲也とか、日本の著名人もかなりコメントを残していてかなり話題になりました。

 

とは言え、社会へのインパクトがデカい分、『不都合な真実』以後にゴア大統領の主張に十分な科学的エビデンスがないことや、過剰な言い回しがあったことで、大きな批判のムーブメントが起きました。今でも懐疑論は結構あるようで。

ちなみに、ゴア家の電気料金がアメリカ平均の20倍ほどだと暴露されて、「アル・ゴア不都合な真実」って記事タイトルがつくあたりはご愛敬でしょうか。

たいてい本のタイトルって、カウンターに使われちゃいますからね。

www.snopes.com

それでも、検証サイト等ではマイナーな誤りはあるものの主張の論旨である「人類の活動は温暖化に寄与している」ってことは科学的に正しいって結論になってたりします。

www.skepticalscience.com

 

環境問題はもう既に真実か否かという段階を超えて、CO2排出権取引みたいなものがあるように、経済の大きなファクターになりました。

カネの問題≒政治問題になるのが悲しい人間社会の常。

なので、環境問題は既にホントかウソかの段階ではなくて、環境問題が前提となったゲームでどう振る舞うか、という時代に入っています。勿論、環境問題がホントかウソかは本来重要なんですけどね。ただ環境問題という複雑事象になれば、これはほとんど専門家問題です。

ただ政治ってのは厄介で、こういう結果を出せば重用するぞっていう構造を作れば、科学会にも大きな力を与えることが可能。この時期にアル・ゴアに注目が再び集まるようになってるってのも、対トランプという政治戦略もあるのでしょうし。ホントに政治は厄介です。

 

と、そんなこんなの人間社会の一模様を客観的にみる上でも、「不都合な真実」は今更ですが読んどくべきだなぁと思いました。ので、楽天ブックスでポチリ。

その上で、批判・再批判というものを見てくべきなんでしょうけど、環境問題といいつつ、ほとんどが人間問題だなぁと思ったKIOSKの1分間でした。