国際稲研究所のIRRIのこと(3)幸せに暮らす現地の人達のこと
フィリピンの国際稲研究所IRRIに留学していた時代、隣接する大学内でひとりでフラフラ散歩していたら、町ゆく高校生から声を掛けられて仲良くなるなんてこともありました。
彼等は地元の高校生ですが、英語教育が進んでいるフィリピンでは、結構な数の人が英語をしゃべることが出来たりします。
で、彼等の実家に招待されたりして、そこで学んだことが結構あったのでそんなことを書いてみます。
IRRIには雇用が多いので、IRRI周辺の人ではIRRI関連の労働者が結構いるのですが、少し離れると農業やタクシーや屋台のような仕事が普通です。
私が知り合った高校生の子達もそのあたりに住む人で、お父さんのタクシーの仕事だけで食べてる感じ。タクシーっていっても写真にあるようなトライシクルで、一回それなりに乗っても100円とかなので、日本の給料基準からいうとかなり低いはずです。
でも、彼等はキリスト教徒で教会を大事にしていて、日曜日は礼拝にいくルーティンがあったり、近所も家族みたいな関係性で、時間に追われない生活をしていてすごく新鮮でした。農業が身近なので近くで食べ物もらえたり安く買えますからね。
カメラやiPhoneなんかはものすごく高価なもので私が持っていると珍しがり、撮って撮ってと言われ、iPhoneを貸すとずっと自撮りしていたり、と無邪気です。
「東南アジアは近年著しい経済発展を遂げている」なんてことが経済詩の紙面をにぎわせますが、学ぶべきなのはマーケットじゃなくて「お金がないけど幸せがある」って所なんじゃないのかなぁと思ったりするのでした。
お金がなくても楽しいってのは、もうゴールだし、無敵に近いですからね。
と言っても、私が友達になった高校生レベルの若い子達はお小遣いも十分にないので「お金ほしい!」と無邪気に思ってるのは万国共通でしょうね。
一緒にローカルなお祭りに行ったら、こんなギャンブルに熱くなってました。笑
IRRIでは、超巨大な種子の保管倉庫や最先端のゲノム解析ルームなんかを見学でき、最先端のものもみることが出来ましたが、一方で地元の高校生たちと出会ったお陰で、超ローカルな幸福感も垣間見ることが出来ました。
どちらかというと後者の方が良い体験でしたかね。