おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

2018-01-01から1年間の記事一覧

仮想通貨より手堅い「料理」への投資

価格が上がったり下がったりの仮想通貨で慌ただしい昨今。 仮想通貨より手堅い投資先を見つけたので、ヤフーさん、是非ヤフートピックスにお願いします。「仮想通貨より手堅い投資先」ってタイトルつけたら皆うそくさいと思いつつも必ずクリックするはずです…

これからは日本酒も「寝かす」時代?

ワインを熟成させると美味しくなるってのはフランスでは常識ですが、日本酒を熟成させると美味しくなるってのは日本ではあまり聞きません。 でも、日本酒もワインと同じように適度な温度条件で保管していると、よりまろやかで深みのある味になってきます。 …

ポストトゥルース時代の『不都合な真実』

たまたま駅のKIOSKで時間を潰していたら、まだ読んでいなかったアル・ゴアの『不都合な真実』が文庫本で売っていて1分くらいななめ読み。 不都合な真実 (実業之日本社文庫) 作者: アル・ゴア,枝廣淳子 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2017/10/…

山菜最強説。

山菜って最強じゃないですか? 山菜って、ワラビとかヨモギとかタラの芽とかウドとかです。春になると山に自然に生えてくる最強のヤツ・・・! 春が近づいてきたからなのか、山菜の凄さをふと思い出したので、山菜が最強な理由を三つの観点から書いてみます…

社会が劣化すると農業の相対価値が上がってくる。

このブログでは、農業の産業としての構造について中心に書いてきましたが、今回はちと趣向を変えて、ライフスタイル面からみた農業について書いてみることにします。 というのも、昨日こんなニュースが出てていよいよ日本の経済格差も広がったなぁと思ったの…

日本農業実践学園の研修コース体験談

農学の世界にズブズブと入るようになって、研究という視点で農業を見ることが多くなった私ですが、一時期は生産者になろうと本気で画策していた時代がありました。 実家が農家でなかった私は、どうやって農業で食っていくかの具体的なイメージが湧かなかった…

無肥料栽培のトマトは空気中の窒素を活用してる?

自然界では植物が勝手にすくすくと育つのと同じように、やってみたら意外と無肥料でも農作物は育つし、条件によっては肥料を使う栽培並の収穫量がとれるたりします(でも安定生産を考えると7割くらいが丁度いいという人多し)。 ってのは、事例としてはそれ…

根の中に住む小さな微生物の大きな役割

肥料になるべく依存しない農業をやりたい、という人にとって、大きな関心事となるのは微生物です。なぜかというと、肥料をやれば作物の成長が促進される、という肥料と作物の蜜月関係についてはもう相当な数の文春報が繰り出されており、あんなことやこんな…

バレンタインデーに語りたいチョコレートのスイートでビターな真実

今週のお題「バレンタインデー」ということで、チョコレートにまつわる話を一席。 チョコレートの主原料であるカカオ豆は、日本では作ることが出来ません。 その理由は、カカオの樹の生育条件が非常に限定されていること。 平均気温27度以上とか、年間を通じ…

有機農業・自然農法・自然栽培・・・どれがどれやら。このさい日本国内の農法を整理してみたよ

農業に特に関心もない友人と話していると、自分が前提としている農業の知識が前提になっていないことにハッと気付いたりして、業界人とだけ接しているのは危険だなぁと思う昨今。 特に私なんかは自然栽培推しなので、すぐに宗教やスピリチュアルと絡めて解釈…

無肥料で8俵とれる科学的根拠

2016年12月号の現代農業に、「無肥料で8俵とれる科学的根拠」という弘前大学の杉山修一教授の記事が載っていて、Web上でもその記事を読むことが出来ます↘ 月刊 現代農業2016年12月号 無肥料で8俵とれる科学的根拠 この記事では、無肥料栽培ながら8俵ものコ…

IT農業の現在位置

ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業 作者: 神成淳司 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2017/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る AI農業やらIT農業やらICT農業などのワードをよく見かけるようになった昨今。 僕はその流れに全体重をかけ…

自然栽培の現状を解説Part3「桐島、無肥料でも土壌の窒素が減らないってよ」

収入はないけれど、生きてりゃ支出はどうしても出てくる。 家計の収支がマイナスなら、生きてる分だけ借金が増えていき、買えるものがどんどんなくなっていく・・・ それがお財布事情と生活の関係ですね。 で、農業でも、この考え方が結構常識的です。 つま…

農業用アクションカメラを比較検討

カメラの価格がジャンジャン下がってきて、消費者としては嬉しい限りの昨今。 まだ購入したことはないんですが、アクションカメラなんていうジャンルのカメラの価格も1万円以下が多数発売されてるなど相当安くなっています。 アクションカメラってのは、両…

「ロジカルな田んぼ」の読書感想

オモロイ農業本を見つけました。 ロジカルな田んぼ (日経プレミアシリーズ) 作者: 松下明弘 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2013/04/09 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 稲オタク達にとってはヨダレが垂れるほど面白く、農…

自然栽培の現状を解説Part2「自然栽培稲作の雑草はカヤツリグサ系に気をつけろ」

一般社会で「雑草魂」は根性あふれるスピリットとして良いイメージで紹介されたりする昨今ですが、ズバリ農家からしたら「雑草魂は勘弁してくれよ」的なスピリットです。 なんてったって、箱入り娘のような繊細な作物に比べて、雑草はほっとけばグングン伸び…

こちとら切実。農業のゲン担ぎ

今週のお題「ゲン担ぎ」。 今のシーズンだと、受験関係のゲン担ぎが多いのかもしれません。 だけど、昔から受験程度のささいなイベントに幸運を期待するなんて、よく理解できないなとクールな高校生ながらに思ってたりしました。 だって、受験における合格・…

自然栽培の現状を解説Part1「自然栽培稲作では遅く植えるべし」

前回、インドネシア人から購入したオンボロ車で東北地方を巡っていたら、色んな農家さんの面白エピソードをゲットしたよ、という話を書きました。 mroneofthem.hatenablog.com でもそれは余談余談。本当の目的は自然栽培の研究だった訳です。 という訳で、今…

確かに、事件は現場で起きていた。

前回の二つの記事で、「自然栽培」に出会った経緯と、博士論文のテーマを決めた経緯について書きました。 mroneofthem.hatenablog.com mroneofthem.hatenablog.com それでそれで、当時筑波大のインドネシア人留学生から1万5000円で日産キューブ第一世代…

「自然栽培しばりで博士論文」という無謀な挑戦

前回、私が「自然栽培」に深入りするようになったきっかけを書きました。 mroneofthem.hatenablog.com ≪出発前夜≫ 「自然栽培」に出会った頃、私は大学院の修士課程二年生だったので、自然栽培をテーマに研究をするとなると、今やっている修士課程のテーマを…

農学博士の僕が自然栽培に出会った話

2月に入ってキリがいいので、個人的なことをダラダラと書いていこうと思います。 ≪農業には色々あるが・・・≫ 私が専門とする農業は、基本的に「土から食べ物を作る」というシンプルな仕事(溶液栽培など除く)ですけど、その方法にはめちゃくちゃ種類があ…

誰も書くまい。農業界の3アイドル

今週のお題「私のアイドル」ということなので、きっと誰も書いてないであろう農業界のアイドルについて書いてみたいと思います。 農業界のアイドル・・・? さて、まず農業アイドルと言えばご存じこの人達。そう、 1)TOKIO です。 (農業歴五年の枝豆…

情熱の国スペインの情熱のコメ作り

イタリアといえばリゾット、スペインといえばパエリア。 ということで、コメといえばアジアなイメージが強い昨今ですが、ヨーロッパにも米食文化も水田もコメオタクの頑固親父も存在して、面白いので以前スペインまで突撃隣の晩御飯をしてきた、という話を書…

ホントの意味では「農法」は定義できない。

日本農業のような、スケールサイズに早々と限界が訪れる農業だと、普通にアメリカや中国やオーストラリア等の大国とがっぷりよつでぶつかると力負けしてしまう公算が高い(というか絶対まける)ので、ヨーロッパ的な「正しさ」を導入して(具体的には環境へ…

これからの日本農業とジャポニカ米の行方

ズバリ世界では約5億トンのコメが毎年生産されてますが、そのほとんどが長粒種のインディカ米というヤツです。チャーハンとかピラフに合うパサパサしたヤツです。コレです。 で、一方の我々にとって馴染み深いジャポニカ米の生産量については正確な統計情報…

日本農業の相対評価【4-2】「地理と気候 中国編」

グローバルな目でみると地理や気候条件がその土地の農業に与える影響は計り知れないよ、ということで、前回は日本とアメリカとオーストラリアを比較する記事を書きました。 mroneofthem.hatenablog.com そいで、これまでは外国産コシヒカリといえばアメリカ…

日本農業の相対評価【4ー1】「地理と気候 アメリカ・オーストラリア編」

前回の記事で主要コメ生産国の農業インフラをざっくりと比較してみました。↘ mroneofthem.hatenablog.com 今回は農業インフラとの関係性も強い「地理・気候」の比較。 なぜ農業インフラと地理・気候が関係してるかって? 例えば、砂漠で農業やるのは厳しい訳…

日本農業の相対評価【3】「農業インフラ」

「農業」というと、土と種さえあれば出来そうな気もしますが、ある程度の規模をもった現代農業となってくると、農業設備なるものが必要になってきます。 東南アジアの農村をひとたび歩いてみれば分かりますが、農道といっても人が歩ける幅しかなくトラクター…

日本農業の相対評価【2】「エネルギー」

「老後に趣味で家庭菜園」ということであれば、手作業こそが醍醐味というものですが、ある程度の規模になってくるとそうはいきません。ましてや「農業経営」ということになれば、農業機械が不可欠になります。 なので今回は農業エネルギーについて日本を相対…

日本農業の相対評価【1】「農地サイズ」

これまでにも度々のべてきましたが、改めて農地の規模を国際的に比較してみます。 農水省の資料*1によれば、先進国の平均農業経営規模は以下の通りです。 第1位 オーストラリア: 3124.50 ha 第2位 アメリカ : 179.00 ha 第3位 イギリス : 92.30 ha 第…