おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

誰も書くまい。農業界の3アイドル

今週のお題「私のアイドル」ということなので、きっと誰も書いてないであろう農業界のアイドルについて書いてみたいと思います。 農業界のアイドル・・・? さて、まず農業アイドルと言えばご存じこの人達。そう、 1)TOKIO です。 (農業歴五年の枝豆…

情熱の国スペインの情熱のコメ作り

イタリアといえばリゾット、スペインといえばパエリア。 ということで、コメといえばアジアなイメージが強い昨今ですが、ヨーロッパにも米食文化も水田もコメオタクの頑固親父も存在して、面白いので以前スペインまで突撃隣の晩御飯をしてきた、という話を書…

ホントの意味では「農法」は定義できない。

日本農業のような、スケールサイズに早々と限界が訪れる農業だと、普通にアメリカや中国やオーストラリア等の大国とがっぷりよつでぶつかると力負けしてしまう公算が高い(というか絶対まける)ので、ヨーロッパ的な「正しさ」を導入して(具体的には環境へ…

これからの日本農業とジャポニカ米の行方

ズバリ世界では約5億トンのコメが毎年生産されてますが、そのほとんどが長粒種のインディカ米というヤツです。チャーハンとかピラフに合うパサパサしたヤツです。コレです。 で、一方の我々にとって馴染み深いジャポニカ米の生産量については正確な統計情報…

日本農業の相対評価【4-2】「地理と気候 中国編」

グローバルな目でみると地理や気候条件がその土地の農業に与える影響は計り知れないよ、ということで、前回は日本とアメリカとオーストラリアを比較する記事を書きました。 mroneofthem.hatenablog.com そいで、これまでは外国産コシヒカリといえばアメリカ…

日本農業の相対評価【4ー1】「地理と気候 アメリカ・オーストラリア編」

前回の記事で主要コメ生産国の農業インフラをざっくりと比較してみました。↘ mroneofthem.hatenablog.com 今回は農業インフラとの関係性も強い「地理・気候」の比較。 なぜ農業インフラと地理・気候が関係してるかって? 例えば、砂漠で農業やるのは厳しい訳…

日本農業の相対評価【3】「農業インフラ」

「農業」というと、土と種さえあれば出来そうな気もしますが、ある程度の規模をもった現代農業となってくると、農業設備なるものが必要になってきます。 東南アジアの農村をひとたび歩いてみれば分かりますが、農道といっても人が歩ける幅しかなくトラクター…

日本農業の相対評価【2】「エネルギー」

「老後に趣味で家庭菜園」ということであれば、手作業こそが醍醐味というものですが、ある程度の規模になってくるとそうはいきません。ましてや「農業経営」ということになれば、農業機械が不可欠になります。 なので今回は農業エネルギーについて日本を相対…

日本農業の相対評価【1】「農地サイズ」

これまでにも度々のべてきましたが、改めて農地の規模を国際的に比較してみます。 農水省の資料*1によれば、先進国の平均農業経営規模は以下の通りです。 第1位 オーストラリア: 3124.50 ha 第2位 アメリカ : 179.00 ha 第3位 イギリス : 92.30 ha 第…

【50記事までの論点まとめ】世界農業の潮流と日本農業の立ち位置

これまでの50記事では主に以下の二つの流れについて述べてきました。 1)20世紀の世界の農業および21世紀型農業に求められるもの 2)戦後の日本農業の経緯と現在の動向 一つ一つ記事を読むのは大変だと思うので、ここまでの経緯を過去記事を引用しながらざ…

【祝50記事記念】ブログはじめて約1カ月間のアクセス数や反省点など

新習慣を取り入れようと一念発起して、2017年12月25日のクリスマスに本ブログを始めてから早50記事。 1日1記事以上を目標にやってきて今回が50記事目なので、上々と思っています。 平均1.7記事/日のスピード。1.5以下にならないように頑張っていきたいところ…

立憲民主党の日本農業へのスタンスは?

JAのウェブサイトに立憲民主党代表の枝野さんのインタビューが載っていました。 www.jacom.or.jp 農協が自民党の最大の支持母体と言われたのもはるか昔。 経産省内閣とも言われる現政権は農協解体を推進するなど、経済合理性の低い日本農業の改革に積極的…

これで地理B気候区分を完全記憶。受験必勝ゴロ合わせ

今週のお題「受験」ということで、農業に馴染み深い地理知識を覚える強引なテクニックを。意外と強引な方がテストの時は思い出せます。 さて、高校の地理Bでは気候区分を習います。 気候は色々あるけれど、とりあえず5つにグループ分けしたもの。 ①温帯:…

受験以後のお金のコストを減らしてく方法

今週のお題「受験」ということで、受験以後のことをリアルに書いていきたいと思います。 大学の価値が下がっている昨今に、私立大→国立大編入→農学博士、と計10年も大学にいたお金のかかるワタシです。振り返るとトータルで大学に500万くらい払ってました…

地理Bはおもろい。気温と雨と気圧と私。天気が生まれるメカニズム

headlines.yahoo.co.jp ー65℃ ってなによって話ですが、地球には色んな気候があって、それは地理によってだいたい法則が決まっているのがオモロイ所。 ↗のニュースで取り上げたロシアのヤクーツクは、最も低い地上気温が観察される寒局に近い場所にあるの…

アマゾンレビューからみる昨今の農業トレンド

生産現場や研究所や行政機関にどっぷりと浸かっていると、一般の人達が農業にどんな可能性を見出してるかが分からなくなってきたりします。自分の身近な人といっても、家族や友人ではかなり限られた世界で一般性がないですからね。 という訳で、アマゾンの高…

安いコメが安く運ばれる時代に日本はどうする?

今年のセンター試験を解いて以来ひさびさに地理Bにハマりだしていますが、高校時代は全然興味もてなかったことが今になって面白く感じられるので新鮮です。 地理が社会構造に大きく関与しているからなるほど感があるんですよね。 さて、地理Bの授業で習う…

実は『コメ大国』中国のコメ作り

かつて瑞穂の国とも言われた日本ですが、世界におけるコメを考えるとき、中国は重要な存在です。 そもそも、稲作の起源については諸説がありますが、現時点の科学エビデンスでは長江流域が稲作起源として有力と考えられています。中国の長江流域にある河姆渡…

ビットコインの次はレタス・大根・白菜の時代

仮想通貨の価格が急落してネット界隈が騒がしい今日この頃ですが、野菜価格の高騰でバタバタしている農業界からレポートです。 www.sankei.com なにせレタスは平年の3.4倍、大根は2.7倍、白菜は213円で1.5倍ですからね。 ビットコイン価格が-25%とかいってま…

男子必見。農業男子は長生きできてお得という話

今週のお題は「体調管理」ということで、こんなニュースを紹介します。 agri.mynavi.jp そう、なんと農作業が体にいいというデータがあるのです。 データの詳細を見るのはとりあえず置いておいて、確かに農村地帯ではじいちゃんばあちゃんが元気に農作業に精…

スイス政府がロブスターを茹でることを禁じたので正義が分からなくなってきた話

アメリカの哲学者にジョン・ロールズという人がいて、1971年に『正義論』という本を書いています。 正義論 作者: ジョン・ロールズ,川本 隆史,福間 聡,神島 裕子 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2010/11/18 メディア: 単行本 購入: 10人 クリック: 2…

2018年センター試験地理B 農業関連問題への勝手な解説とマメ情報

センター試験を終えた受験生のみなさん、お疲れ様でした。 久々に新聞に載っているセンター試験の問題をざっと見た所、今年の農業関連問題は4つでした。2015年は設問2で「世界の農業」というテーマでしたが、今年は「資源と産業」。農業事情に精通する泥ま…

『米国』アメリカのコメ作り

“米国”というだけあって、アメリカもコメを作っている。 日本でのアメリカ農業のイメージは、飛行機による播種や大型コンバインによる収穫といったダイナミックな映像だろうか。私もカリフォルニア稲作はこの目でみたい農業の一つだが、未だ果たせていないの…

アメリカAmazonで買えるジャポニカ米とその値段

アメリカのアマゾンで売られているボタンというお米。 www.amazon.com レビューが210件で平均が星4.4とかなり高評価。Amazon's choiceにも選ばれている。 量と値段は最小サイズが15ポンド=29.99USDなので、6.8kgが3200円で買えるといったところ。 ん? 6.8k…

そもそも日本が浮いていた

先日書いた「日本農業の石油漬け具合」の話にはまだ続きがあって、そもそも日本の社会システム全体が石油漬けで、むしろ農業生産における石油エネルギー消費の比重は小さいよという話があります。 mroneofthem.hatenablog.com ここに、1970年時の「日本の総…

輸出に優秀な人達が表彰されました

なんだかんだ言っても表彰されると嬉しいのが人情というものですが、農業の世界でも、農水省が表彰する農林水産大臣賞とか、食糧産業局長賞なるものがあります。 政治色が強い賞、という噂も聞いたことがありますがそれはさておき、本日平成29年度の「輸出に…

石油の上に浮いている日本農業(立花隆著『農協』より)

立花隆著の「農協」は名著です。 農協 (朝日文庫) 作者: 立花隆 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 1984/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (4件) を見る ホントは一冊全体の読書感想を書こうとしてましたが、あまりにも…

日本農業のディストピア④ ―そして辿りつく低コスト生産という結論―

さて、前の3連記事では、北海道農業とは対照的に取り残される日本農業の経緯を、戦後の食糧難時代からコメ余りの時代までを振り返り、更に追い打ちをかけるように、自由貿易の波がコメ業界に迫っている現状を書いてきました。 ↓3連記事 mroneofthem.hatena…

日本農業のディストピア③ ―「Open the door!」再度やってきた市場原理と自由貿易の黒船―

前回の記事で、戦後日本がコメ不足からコメ余りに至る過程で、コメを作る大義を失っていった経緯を振り返りました。 mroneofthem.hatenablog.com 1970年代以降、作る意味を失い弱っていく日本のコメ業界に追い打ちをかけるように、今度は市場原理や自由貿易…

日本農業のディストピア② ―戦後日本コメ作りの諸行無常―

≫終戦直後のコメ不足 激しい戦争の余韻冷めやらぬ1950年代初頭、空から降ってくる爆弾に怯えることはなくなりましたが、戦中から続くコメ不足が依然として継続していました。それは、1000万人餓死説が流れる程の食料危機でした。 (1955年に撮影された日本の…