おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大人は黙って地理を勉強。勉強のお供には高校地理の資料集がベストという話。

最近買って良かったと思った本に新詳地理資料という本(本?)があります。 新詳地理資料 COMPLETE 2017 作者: 帝国書院編集部 出版社/メーカー: 株式会社 帝国書院 発売日: 2017/02/25 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る 高校地理の資料集ですね…

「土を乾かす」という魔法の話。

突然ですが、コレは何の写真でしょう? そう、わかる人にはわかるアイツ。稲です。プラスチックのコップに詰めた土に育っている稲の写真ですね。一応、おコメのブログだからね。 さてさて、左の稲に比べると、ずいぶんと右の稲の生育が良いみたい。 ですが実…

自然の力を引き出すとは何ぞや、という話

そういえば昔なにかと「なんぞや」という言葉を使う先生がいましたね。 それはさておき、先日ツイッター界でこんなやりとりをしました。 日本農業を盛り上げる上で必要なことは何か。最近かんがえてるコトを書いてみました。 #はてなブログ農学博士の僕が自…

なんで農家はネコを飼う?

今週のお題「ねこ」ということで、農業におけるネコの存在を書いてみましょう。 なんかスゴく無理矢理だな、と思う人も多いでしょうが、僕の知る農業世界では実はネコがキーワードだったりします。 何故かというと、お世話になってきた農家の人達が「え?あ…

農業を俯瞰的に考える上で参考になるWebページ達

農業情報にも色々ある訳ですが、「いざ鎌倉!」ならぬ「いざ農業!」という身としては、「こうやって栽培したら上手くいったよ」というのが一番知りたいトコロ。 でも少し長期的に農業の方向性などを考えようとすると、「有機農業をしてる人は日本にはどれく…

農法間の不毛な争いは辞めにしない?

農業に馴染みがない一般の人からすると何のことやらと思うかもしれませんが、農業は農業でも、「農業のやり方」における争いは非常に熾烈だったりします。 慣行農法と有機農法の間しかり、有機農法の自然農法の間しかり、自然農法と自然栽培の間しかり。 私…

農学博士の僕が自然栽培の課題解決に必要なことをまとめてみます。

前々回の記事で自然栽培のいいトコロを紹介し、 mroneofthem.hatenablog.com とはいえ色々と自然栽培にも課題があるので、前回の記事では正直に自然栽培の現状と課題を紹介しました。 mroneofthem.hatenablog.com となると、じゃあどうやってその課題を解決…

農学博士の僕が自然栽培の課題を3つ挙げてみます。

前回の記事で、自然栽培のいいトコロを3点紹介しました。 mroneofthem.hatenablog.com いいトコロばかり書くってのもアレなので、今回は自然栽培の現状と課題を書いてみることにします。なにごとも現状認識してこそのKAIZENですからね。 1)栽培技術…

農学博士の僕が自然栽培のいいところを3つ紹介します。

種をまいて収穫物を得る、っていうシンプルにみえる農業ですが、実は同じ農業でも色んな考え方があって、「とにかく資材を投入して単位面積当たりの収穫量を最大化しよう」という考え方もあれば、「まったく資材を投入せずに、ほおっといて実ったものを収穫…

北海道博物館で歴史を振り返る

最近はもっぱら札幌なので、以前から興味をもっていた北海道博物館なる場所に行ってきました。 北海道博物館 入場料は、一般は600円、高校生・大学生は300円です。 内容は濃いので北海道の歴史に興味ある人は払う価値はあるはず。 会場に入ると、いきなりナ…

おコメの基本的なデータソース

某テレビ番組で安全保障の専門家と言われる人が、大阪にスリ―パーセルと呼ばれるテロリストが潜伏してますよ、と発言したら、その根拠はイギリスの東スポことデイリーメールだったので、それはどうなのよと批判を浴びている昨今の日本社会。 それはさておき…

仮想通貨的農業世界

なにやら中国語みたいなタイトルですが、今回は農業世界のややこしき現実を今流行の仮想通貨になぞらえてパチリ。 仮想通貨に色んな通貨があるように、農業にも色んな農業があります。 私は仮想通貨をよく理解できていないので、詳しい人に「結局どれがいい…

ヤンマーの学生懸賞論文

今週のお題「表彰状」と言えば、ヤンマーの学生懸賞論文に応募して優秀賞をもらったことがありました。 www.yanmar.com ヤンマーは、農機の製造・販売で有名な会社ですが、有名デザイナーとコラボしてクールな農業ウェアを発売するなど、先進的なことも結構…

国際稲研究所のIRRIのこと(3)幸せに暮らす現地の人達のこと

フィリピンの国際稲研究所IRRIに留学していた時代、隣接する大学内でひとりでフラフラ散歩していたら、町ゆく高校生から声を掛けられて仲良くなるなんてこともありました。 彼等は地元の高校生ですが、英語教育が進んでいるフィリピンでは、結構な数の人が英…

国際稲研究所のIRRIのこと(2)日本人研究者と外国人研究者の違い

前回の記事で、フィリピンのIRRIに留学した時のインド人との関わりなんかを少し書きました。 mroneofthem.hatenablog.com さて、外国である程度暮らすとなると、外国の日常生活が体感できるので、日本人と外国人の違いが感覚的に理解できるようになった…

国際稲研究所のIRRIのこと(1)インドとの不思議な縁

おコメの主要生産地は主にアジアなので、おコメ研究のメッカもアジアにあるのが筋というもの。 国際稲研究所、通称IRRI(International Rice Research Institute)は、フィリピンロスバニョスにある世界最大のどデカい国際農業研究所です。 irri.org I…

「食は土にあり」の読書感想

日本にしかいたことがないと、日本を客観視することが難しいみたいに、自分がいいと思っている農業(私の場合自然栽培)だけの情報を集めていると、頭が偏りがちになってきちゃいます。勉強は常に大事。 ということで、私も普段関わってる農法とは別の農法に…

仮想通貨より手堅い「料理」への投資

価格が上がったり下がったりの仮想通貨で慌ただしい昨今。 仮想通貨より手堅い投資先を見つけたので、ヤフーさん、是非ヤフートピックスにお願いします。「仮想通貨より手堅い投資先」ってタイトルつけたら皆うそくさいと思いつつも必ずクリックするはずです…

これからは日本酒も「寝かす」時代?

ワインを熟成させると美味しくなるってのはフランスでは常識ですが、日本酒を熟成させると美味しくなるってのは日本ではあまり聞きません。 でも、日本酒もワインと同じように適度な温度条件で保管していると、よりまろやかで深みのある味になってきます。 …

ポストトゥルース時代の『不都合な真実』

たまたま駅のKIOSKで時間を潰していたら、まだ読んでいなかったアル・ゴアの『不都合な真実』が文庫本で売っていて1分くらいななめ読み。 不都合な真実 (実業之日本社文庫) 作者: アル・ゴア,枝廣淳子 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2017/10/…

山菜最強説。

山菜って最強じゃないですか? 山菜って、ワラビとかヨモギとかタラの芽とかウドとかです。春になると山に自然に生えてくる最強のヤツ・・・! 春が近づいてきたからなのか、山菜の凄さをふと思い出したので、山菜が最強な理由を三つの観点から書いてみます…

社会が劣化すると農業の相対価値が上がってくる。

このブログでは、農業の産業としての構造について中心に書いてきましたが、今回はちと趣向を変えて、ライフスタイル面からみた農業について書いてみることにします。 というのも、昨日こんなニュースが出てていよいよ日本の経済格差も広がったなぁと思ったの…

日本農業実践学園の研修コース体験談

農学の世界にズブズブと入るようになって、研究という視点で農業を見ることが多くなった私ですが、一時期は生産者になろうと本気で画策していた時代がありました。 実家が農家でなかった私は、どうやって農業で食っていくかの具体的なイメージが湧かなかった…

無肥料栽培のトマトは空気中の窒素を活用してる?

自然界では植物が勝手にすくすくと育つのと同じように、やってみたら意外と無肥料でも農作物は育つし、条件によっては肥料を使う栽培並の収穫量がとれるたりします(でも安定生産を考えると7割くらいが丁度いいという人多し)。 ってのは、事例としてはそれ…

根の中に住む小さな微生物の大きな役割

肥料になるべく依存しない農業をやりたい、という人にとって、大きな関心事となるのは微生物です。なぜかというと、肥料をやれば作物の成長が促進される、という肥料と作物の蜜月関係についてはもう相当な数の文春報が繰り出されており、あんなことやこんな…

バレンタインデーに語りたいチョコレートのスイートでビターな真実

今週のお題「バレンタインデー」ということで、チョコレートにまつわる話を一席。 チョコレートの主原料であるカカオ豆は、日本では作ることが出来ません。 その理由は、カカオの樹の生育条件が非常に限定されていること。 平均気温27度以上とか、年間を通じ…

有機農業・自然農法・自然栽培・・・どれがどれやら。このさい日本国内の農法を整理してみたよ

農業に特に関心もない友人と話していると、自分が前提としている農業の知識が前提になっていないことにハッと気付いたりして、業界人とだけ接しているのは危険だなぁと思う昨今。 特に私なんかは自然栽培推しなので、すぐに宗教やスピリチュアルと絡めて解釈…

無肥料で8俵とれる科学的根拠

2016年12月号の現代農業に、「無肥料で8俵とれる科学的根拠」という弘前大学の杉山修一教授の記事が載っていて、Web上でもその記事を読むことが出来ます↘ 月刊 現代農業2016年12月号 無肥料で8俵とれる科学的根拠 この記事では、無肥料栽培ながら8俵ものコ…

IT農業の現在位置

ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業 作者: 神成淳司 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2017/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る AI農業やらIT農業やらICT農業などのワードをよく見かけるようになった昨今。 僕はその流れに全体重をかけ…

自然栽培の現状を解説Part3「桐島、無肥料でも土壌の窒素が減らないってよ」

収入はないけれど、生きてりゃ支出はどうしても出てくる。 家計の収支がマイナスなら、生きてる分だけ借金が増えていき、買えるものがどんどんなくなっていく・・・ それがお財布事情と生活の関係ですね。 で、農業でも、この考え方が結構常識的です。 つま…