おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

ヤンマーの学生懸賞論文

今週のお題「表彰状」と言えば、ヤンマーの学生懸賞論文に応募して優秀賞をもらったことがありました。

www.yanmar.com

ヤンマーは、農機の製造・販売で有名な会社ですが、有名デザイナーとコラボしてクールな農業ウェアを発売するなど、先進的なことも結構やっている会社です。農機老舗の他会社とちょっと違う感じです。

news.mynavi.jp

で、学生懸賞論文という取り組みも既に27回も蓄積しており、全国の大学農学部や農業専門学校への知名度は抜群です。毎年、ポスターが学校に配らてますからね。

最近だと、クミアイ化学工業っていう農薬の会社↘も懸賞論文をやっていますが、まだ蓄積が6回なのと、懸賞金のケタからいってもヤンマーの力の入れ具合がすごいです。

(懸賞金総額 クミアイ:70万 ヤンマー:360万)

www.kumiai-chem.co.jp

で、私はちょうど当時「自然栽培」に関わり始めた所(経緯は過去記事参照)だったので、「木村式水稲栽培の可能性 〜世界で勝つ日本農業、持続可能社会の実現のために〜」っていうタイトルで応募してみました。

mroneofthem.hatenablog.com

振り返ってみると、当時から今の日本農業の状況が深刻だなぁと思っていて、それを打破する突破口として自然栽培に光を当てました。

といっても、まだ実践一年ということもあって、表彰式の講評では「可能性は十分に理解できたが、もっと具体例や科学的検証の内容があればもっと良かった」というアドバイスなんかももらっていました。

それからもう4年くらい経ってますが、当時は「可能性」としてしか言及できなかったものが、今ではかなり具体的・論理的・実例を示しつつ・他の国や農法と比べながら、相対的に説明できるようになっているので、状況はかなり改善したと思っています。

まぁ、まだ自分で長期的に継続し栽培してる訳ではないのでまだまだなのですが。

 

懸賞論文は、9月30日の締め切りに何とか論文を間に合わせて、入賞の知らせが来たのが確か12月末頃でした。表彰式ではヤンマーの社長さんとお話しができたりと、いい経験をさせてもらえたと思っています。

「ヤンマー」の画像検索結果

さて、ヤンマー学生懸賞論文は、だいたいどこの大学農学部の掲示板でもポスターが貼られている割に、まわりで応募したことがあるって人を聞いたことがなかったのですが、恐らく字数(本文部分の総字数 8,000字以上、12,000字以内)や論文形式がハードルになってるのでしょう。完成させるには結構な時間を費やしますからね。

入賞者の話では、専門学校では教員がリードしてグループを作らせて、応募させるってケースも多いようです。明確な目標が出来るし、卒業研究になりますからね。

テーマも、こんな感じでかなり柔軟ですから、自分がやってる研究とこじつけていくことは出来ると思います。

f:id:mroneofthem:20180219154434p:plainで、全国から、論文の部、作文の部、それぞれ700件ほどの応募はきているようで、13/700の倍率の戦いです。大賞の賞金が100万ですから、みんなガチです。

それでも、自分がやっていることの社会的価値なんかを客観視できる限りある機会なので、個人的にはおすすめです。普通に農学部で卒業・就職を目的に時間を過ごそうとしてると、教授のやってる研究テーマをただなぞるってことになりがちですからね。

国際稲研究所のIRRIのこと(3)幸せに暮らす現地の人達のこと

フィリピンの国際稲研究所IRRIに留学していた時代、隣接する大学内でひとりでフラフラ散歩していたら、町ゆく高校生から声を掛けられて仲良くなるなんてこともありました。

彼等は地元の高校生ですが、英語教育が進んでいるフィリピンでは、結構な数の人が英語をしゃべることが出来たりします。

で、彼等の実家に招待されたりして、そこで学んだことが結構あったのでそんなことを書いてみます。

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IRRIからバイクで30分程のホントにローカルなエリア。外国人はまるでいない。

IRRIには雇用が多いので、IRRI周辺の人ではIRRI関連の労働者が結構いるのですが、少し離れると農業やタクシーや屋台のような仕事が普通です。

私が知り合った高校生の子達もそのあたりに住む人で、お父さんのタクシーの仕事だけで食べてる感じ。タクシーっていっても写真にあるようなトライシクルで、一回それなりに乗っても100円とかなので、日本の給料基準からいうとかなり低いはずです。

でも、彼等はキリスト教徒で教会を大事にしていて、日曜日は礼拝にいくルーティンがあったり、近所も家族みたいな関係性で、時間に追われない生活をしていてすごく新鮮でした。農業が身近なので近くで食べ物もらえたり安く買えますからね。

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旦那の白髪をぬいてあげたりする優しい肝っ玉母さんと娘。時間の流れ方が日本とまるで違う。

カメラやiPhoneなんかはものすごく高価なもので私が持っていると珍しがり、撮って撮ってと言われ、iPhoneを貸すとずっと自撮りしていたり、と無邪気です。

「東南アジアは近年著しい経済発展を遂げている」なんてことが経済詩の紙面をにぎわせますが、学ぶべきなのはマーケットじゃなくて「お金がないけど幸せがある」って所なんじゃないのかなぁと思ったりするのでした。

お金がなくても楽しいってのは、もうゴールだし、無敵に近いですからね。

 

と言っても、私が友達になった高校生レベルの若い子達はお小遣いも十分にないので「お金ほしい!」と無邪気に思ってるのは万国共通でしょうね。

一緒にローカルなお祭りに行ったら、こんなギャンブルに熱くなってました。笑

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お祭りでの子供用賭け屋台。お金を色の上において、サイコロで同じ色が出たら2倍になる。

IRRIでは、超巨大な種子の保管倉庫や最先端のゲノム解析ルームなんかを見学でき、最先端のものもみることが出来ましたが、一方で地元の高校生たちと出会ったお陰で、超ローカルな幸福感も垣間見ることが出来ました。

どちらかというと後者の方が良い体験でしたかね。