おコメ博士の闇米日記

日本農業(特におコメ)について考えるブログです。とりあえず目指せ100記事。

日本農業

農学博士の僕が自然栽培のいいところを3つ紹介します。

種をまいて収穫物を得る、っていうシンプルにみえる農業ですが、実は同じ農業でも色んな考え方があって、「とにかく資材を投入して単位面積当たりの収穫量を最大化しよう」という考え方もあれば、「まったく資材を投入せずに、ほおっといて実ったものを収穫…

これからは日本酒も「寝かす」時代?

ワインを熟成させると美味しくなるってのはフランスでは常識ですが、日本酒を熟成させると美味しくなるってのは日本ではあまり聞きません。 でも、日本酒もワインと同じように適度な温度条件で保管していると、よりまろやかで深みのある味になってきます。 …

社会が劣化すると農業の相対価値が上がってくる。

このブログでは、農業の産業としての構造について中心に書いてきましたが、今回はちと趣向を変えて、ライフスタイル面からみた農業について書いてみることにします。 というのも、昨日こんなニュースが出てていよいよ日本の経済格差も広がったなぁと思ったの…

有機農業・自然農法・自然栽培・・・どれがどれやら。このさい日本国内の農法を整理してみたよ

農業に特に関心もない友人と話していると、自分が前提としている農業の知識が前提になっていないことにハッと気付いたりして、業界人とだけ接しているのは危険だなぁと思う昨今。 特に私なんかは自然栽培推しなので、すぐに宗教やスピリチュアルと絡めて解釈…

IT農業の現在位置

ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業 作者: 神成淳司 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2017/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る AI農業やらIT農業やらICT農業などのワードをよく見かけるようになった昨今。 僕はその流れに全体重をかけ…

ホントの意味では「農法」は定義できない。

日本農業のような、スケールサイズに早々と限界が訪れる農業だと、普通にアメリカや中国やオーストラリア等の大国とがっぷりよつでぶつかると力負けしてしまう公算が高い(というか絶対まける)ので、ヨーロッパ的な「正しさ」を導入して(具体的には環境へ…

これからの日本農業とジャポニカ米の行方

ズバリ世界では約5億トンのコメが毎年生産されてますが、そのほとんどが長粒種のインディカ米というヤツです。チャーハンとかピラフに合うパサパサしたヤツです。コレです。 で、一方の我々にとって馴染み深いジャポニカ米の生産量については正確な統計情報…

日本農業の相対評価【3】「農業インフラ」

「農業」というと、土と種さえあれば出来そうな気もしますが、ある程度の規模をもった現代農業となってくると、農業設備なるものが必要になってきます。 東南アジアの農村をひとたび歩いてみれば分かりますが、農道といっても人が歩ける幅しかなくトラクター…

日本農業の相対評価【2】「エネルギー」

「老後に趣味で家庭菜園」ということであれば、手作業こそが醍醐味というものですが、ある程度の規模になってくるとそうはいきません。ましてや「農業経営」ということになれば、農業機械が不可欠になります。 なので今回は農業エネルギーについて日本を相対…

日本農業の相対評価【1】「農地サイズ」

これまでにも度々のべてきましたが、改めて農地の規模を国際的に比較してみます。 農水省の資料*1によれば、先進国の平均農業経営規模は以下の通りです。 第1位 オーストラリア: 3124.50 ha 第2位 アメリカ : 179.00 ha 第3位 イギリス : 92.30 ha 第…

【50記事までの論点まとめ】世界農業の潮流と日本農業の立ち位置

これまでの50記事では主に以下の二つの流れについて述べてきました。 1)20世紀の世界の農業および21世紀型農業に求められるもの 2)戦後の日本農業の経緯と現在の動向 一つ一つ記事を読むのは大変だと思うので、ここまでの経緯を過去記事を引用しながらざ…

立憲民主党の日本農業へのスタンスは?

JAのウェブサイトに立憲民主党代表の枝野さんのインタビューが載っていました。 www.jacom.or.jp 農協が自民党の最大の支持母体と言われたのもはるか昔。 経産省内閣とも言われる現政権は農協解体を推進するなど、経済合理性の低い日本農業の改革に積極的…

アマゾンレビューからみる昨今の農業トレンド

生産現場や研究所や行政機関にどっぷりと浸かっていると、一般の人達が農業にどんな可能性を見出してるかが分からなくなってきたりします。自分の身近な人といっても、家族や友人ではかなり限られた世界で一般性がないですからね。 という訳で、アマゾンの高…

そもそも日本が浮いていた

先日書いた「日本農業の石油漬け具合」の話にはまだ続きがあって、そもそも日本の社会システム全体が石油漬けで、むしろ農業生産における石油エネルギー消費の比重は小さいよという話があります。 mroneofthem.hatenablog.com ここに、1970年時の「日本の総…

輸出に優秀な人達が表彰されました

なんだかんだ言っても表彰されると嬉しいのが人情というものですが、農業の世界でも、農水省が表彰する農林水産大臣賞とか、食糧産業局長賞なるものがあります。 政治色が強い賞、という噂も聞いたことがありますがそれはさておき、本日平成29年度の「輸出に…

石油の上に浮いている日本農業(立花隆著『農協』より)

立花隆著の「農協」は名著です。 農協 (朝日文庫) 作者: 立花隆 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 1984/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (4件) を見る ホントは一冊全体の読書感想を書こうとしてましたが、あまりにも…

日本農業のディストピア④ ―そして辿りつく低コスト生産という結論―

さて、前の3連記事では、北海道農業とは対照的に取り残される日本農業の経緯を、戦後の食糧難時代からコメ余りの時代までを振り返り、更に追い打ちをかけるように、自由貿易の波がコメ業界に迫っている現状を書いてきました。 ↓3連記事 mroneofthem.hatena…

日本農業のディストピア③ ―「Open the door!」再度やってきた市場原理と自由貿易の黒船―

前回の記事で、戦後日本がコメ不足からコメ余りに至る過程で、コメを作る大義を失っていった経緯を振り返りました。 mroneofthem.hatenablog.com 1970年代以降、作る意味を失い弱っていく日本のコメ業界に追い打ちをかけるように、今度は市場原理や自由貿易…

日本農業のディストピア② ―戦後日本コメ作りの諸行無常―

≫終戦直後のコメ不足 激しい戦争の余韻冷めやらぬ1950年代初頭、空から降ってくる爆弾に怯えることはなくなりましたが、戦中から続くコメ不足が依然として継続していました。それは、1000万人餓死説が流れる程の食料危機でした。 (1955年に撮影された日本の…

日本農業のディストピア① ―頭角表す北海道農業ととり残される日本農業―

北海道農業は日本農業において一人勝ちしていると以前の記事で書きました。 mroneofthem.hatenablog.com ≫北海道農業の特殊性 たかだか150年程度の開拓の歴史しか持たない一地方ながら、その広大な大地とフロンティアマインドによって、北海道は日本農業にお…

農林水産省の通信簿(輸出額編)

小学生時の通知表を古いファイルから引っ張り出して眺めてみると、成績の他に、「授業態度の見直しを図りましょう」とか「学習ではじっくりと問題を読み、落ち着いて解くようにしましょう」といった、子供の態度や性格についての記述があります。 担任からの…

これからの日本農業の大前提

経済のグローバル化で、先進国は今やどの産業でも、工場を人件費の安い海外に移転することが普通になりました。そうしなければ、国際的マーケットの中の価格競争に到底勝ち得ないからです。先進国の経済にとっては困りものですが、発展途上国にとっては、経…

意外と知らない、農業から出てくる温室効果ガス

一点の 偽りもなく 青田あり (作者:山口誓子) のどかな田園風景を想像すると、農業はいかにも環境に良いような気がしますよね? でも、農業は温暖化に対して結構な影響度を持っていたりします。 下の円グラフは、地球温暖化についての国際的学術機関であ…

北海道の一人勝ち?これからの食農業界勢力図

北海道という領域は、日本農業において極めて特殊です。 開拓から未だ150年程度という短い歴史もさることながら、その広大な農地は、アメリカの広大な農地を思わせます。米軍基地が面積の10%を占める沖縄と同様に、辺境の島というは、日本と外国の曖昧な領…