おコメ博士の闇米日記

日本農業(特におコメ)について考えるブログです。とりあえず目指せ100記事。

有機農業・自然農法・自然栽培・・・どれがどれやら。このさい日本国内の農法を整理してみたよ

農業に特に関心もない友人と話していると、自分が前提としている農業の知識が前提になっていないことにハッと気付いたりして、業界人とだけ接しているのは危険だなぁと思う昨今。

特に私なんかは自然栽培推しなので、すぐに宗教スピリチュアルと絡めて解釈されてしまいがちですよ。「大丈夫?だまされていない?」なんて心配されることもあるくらい。有機農業(オーガニック)はなんとなく知っていても、その他の農法なんて全然わからないってのが一般的な街の声。

なので、この際だから農法を色々整理してみましたよ。

海外の農家との対立のイラスト

まず農法の基礎知識として押さえておきたいのは以下の3パターン。

①法的に定義されている

②認証団体によって定義されている

③基本的に定義されていないけど、なんとなく定義されている 👈ナニソレ

です。

 

ということで、順番に説明していきましょう。

 

①法律〇、認証〇のパターン

まず、農法には①法律に定義されているものがあります。で、日本では法律に定義されているものは極めてシンプル。有機農業だけ。自然農や自然栽培に法的な定義はありません。

ズバリ、平成十八年法律第百十二号有機農業の推進に関する法律の第二条に、有機農業はこう定義されています。

この法律において「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。

かなり抽象的ですがね・・・

で、この法律を基に作られた認証が有機JAS規格というヤツです。この規格がそもそもどうなのよという議論もあるのですが(国際的に色々違ったりするので)、法的定義もあり、認証制度も確立しているので、一般の人に説明するには一番分かりやすい農法です。その他の、よりこだわっている自然栽培や自然農法をやっている方でも、とりあえずJAS有機をとっている、っていう人は多いですよ。客観的な証明になりますからね。

 

②法律✖、認証〇のパターン

はい、でここから農業界の摩訶不思議な世界に入っていきます。こっから脱落する人多数。友人の顔をみてると、こっからよく分からなくなってきて、徐々に口が開いていきます。("゚д゚)

さて、農法には、②法的な定義はされていないが、認証団体があって栽培方法の定義と認証を行っているものがあります。

例えばNPO法人の無施肥無農薬栽培調査研究会では、外部から何かを投入しないといった独自の基準を設けており*1、その基準にパスしている栽培を継続する年数で、1~3年、4~10年、11年目以降という風に三段階で認証ランクを設定しています。

これもまた分かりやすいし、年数によってランクが上がるので、生産者のモチベーションにもなるんじゃないかなと思います。

muhiken.or.jp

他にもこんな団体↘とか(自然栽培は自然栽培でも複数あったりするのでご注意。コレは今度かくことにします。)が、独自の基準や認証制度を持っていたり、

www.jnhfa.com

最近では欧米に端を発したグローバルGAPも認証団体があるので、②に分類されますね。

 

③法律✖、認証✖のパターン

で、最後に、法的な定義も認証団体による定義もないけれども、提唱者や関係者が定義しており生産者の自己申告によって成立しているものがあります。一般の人が農法ってよく分からないって言ってるのに、かなりのストロングスタイルですよね。現時点で木村式自然栽培とか自然農と言われるものの多くがコレです。普通に考えると生産者のモラルに依存してるので、色々問題ありそうですよね。でも、私はコレ推しです("´∀`)b

例えば奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんが提唱する木村式自然栽培は、

外部から化学肥料、合成農薬、除草剤などの資材を投入せず、自然が持っている力を最大限引き出して栽培を行う農業。

と定義されてますが、法律で定義されている訳でもなく、2018年時点では認証団体が統一規格を設定したり、第三者機関が厳密な審査をしている訳ではありません。

木村式自然栽培の定義 ((秋則 木村)AKメソッド) - NPO法人鳥取県木村式自然栽培実行委員会

 

また、福岡正信さんが提唱する自然農法は、不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)を四原則としていますが、これも法律な定義はなく、私が知る限りは認証団体による規格もありません。

なので、木村式自然栽培にしても福岡式自然農法にしても、説明しにくい≒流通にのっけにくい、という特徴があります。

ただ反面、基準が曖昧な故に、色んなタイプの生産者が独自に解釈して、この農法に入ってきたことも事実です。なので生産者の多様性、考え方の多様性がとても面白いと個人的に思ってます。

 

 

という訳で、色んな農業をとりあえず三分類に整理してみました。

更にみていくともっとややこしくなるので、続報はまた今度。

③がこれからどうなるかは分かりませんが、ある一定規模の大きさになって流通を考えると、ラベル(認証制度)は極めて重要なポイントになってきます。消費者の人が迷わず買えますから。しかし基準の設定や組織運営についてかなり詳細について考えないと、内部抗争みたいなことになりかねないし、そもそも本質からズレてきてしまうことがあるので、そこが注意すべきポイントですね。

それと、そもそも農業は多様で答えがないものでもあるので、「これが正解だ!」という態度は危険だと思っており、農業界の諸先輩達からはそういう自然の複雑さへの態度を学んだつもりでいます。だから私はルールの厳格化にはあまり賛成しかねるのです。