おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

仮想通貨的農業世界

なにやら中国語みたいなタイトルですが、今回は農業世界のややこしき現実を今流行の仮想通貨になぞらえてパチリ。

 仮想通貨のイラスト(Bitcoin)

仮想通貨に色んな通貨があるように、農業にも色んな農業があります。

私は仮想通貨をよく理解できていないので、詳しい人に「結局どれがいいの?」と聞きたくなる気持ちがよく分かります。

同じように、農業に馴染みがない人は、農業に詳しい人に「結局どれがいいの?」と聞きたがります。

「色々理屈はあるやろうけど、結局イッチャンイエエヤツ、はどれや?」ってヤツですね。

 

しかし、残念なことに世界が複雑であればある程、これが正解だ、という明確な解はありません。パソコンのような電化製品であればCPUやメモリ等のスペックを項目化して比較も可能でしょうが、農業のような土性や気象や人に大きく左右される状況依存性の強いものは、詳細な比較は不可能です。堆積土壌では上手くいったものが、砂質土壌ではうまくいかないとか、北日本で上手くいったものが、西日本では上手くいかないってのは、農業では頻繁に起こります。「ズバリ正解はコレだ!」みたいなものは、疑ってかかるのがベターでしょう。

 宗教の勧誘のイラスト

それでもそれでも、絶対的な答えがないにしても、相対的な答えはあると思っているのが私の考えの結論。

つまり、資源利用量が多いよりは少ない方へ生物多様性へのリスクが高いよりは低い方へ、といった風に、方向性では共通認識を得ることは可能だろう、と。

農法対決になると宗教戦争のように苛烈なものになってしまいますが、同じ目標を設定して方法は色々あるよね、という態度の方が平和的です。

永田農法の永田さんがおっしゃってるように、農業はそもそも自然に迷惑をかけているので、「正解はコレだ!」ではなく、遠慮しがちな態度が重要なのではないか、と。

mroneofthem.hatenablog.com

 

様々な経緯があって、私は「自然栽培」という農業の考え方を推しているのですが、それは私が「自然栽培」の経験があり、理屈や技術というものを他の農法よりもよく知っているからだけであって、すべての農業を体験し比較して得た結論ではありません。

農業の種類は膨大にありますから、すべてを知悉することは不可能です。

よって、農業に対して真摯に向き合おうと思ったら、一生勉強という結論になるのは極めて自然だと思っています。どんな農業をやってる人も、そういう感じはもってるんじゃないでしょうか。

 

 

 

さて、最近のtwitterのタイムラインを眺めていると、価値の上下変動が激しい仮想通貨の話題が熱い訳ですが、投機的目的の人は入ったり出たりしているよう。

一方で、積極的に仮想通貨を推して高騰時も暴落時も決して売らず長期保有を決め込んでいる人は、現在の国家に規制されたお金の概念を覆す、世界共通のプラットフォームとなる仮想通貨的世界を夢見ている感じがあります。

で、ビットコインとか、イーサリアムとか、リップルとか、それぞれが推すコインがある訳ですね。

農業もそれと同じ感じで、環境への影響を出来る限り小さくし、生産者や消費者への健康を損ねず、美味しい農業を目指そう、という同じ目標となる世界観を共有した上で、それぞれが自分に合った農法(つまりコインを)をチョイスすることで十分だと思っています。

やっぱり損得だと不毛な争いが生じて面白くないですからね。それより、新世界を作り上げていこう、という方向の方が明らかに楽しい訳です。