おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

「都市と地方をかきまぜる」の読書感想

 前から気になっていたこの本を読みました。

都市と地方をかきまぜる?「食べる通信」の奇跡? (光文社新書)
 

20180310現在で、Amazonレビューが94件ついて評価が4.9とほぼ満点の、この一億総評論家と呼ばれる現代で「そんな本あるんだ!」みたいな高評価本。

それと、友達がマイファームという会社で働いていて、先日いろいろとおすすめの食材を送ってもらったら「つくる通信」っていう農の楽しみを特集してる雑誌を入れてくれていたこともきっかけ。この「つくる通信」ってのは、この本の著者である高橋さんがはじめた「食べる通信」の姉妹的感じなんですよね。(実際の経緯は知りませんけど、西辻さんと高橋さんは関係があるようなので、そんなイメージです)

マイファームつくる通信

www.securite.jp

今回は本の要約みたいなことははしょりますけど、「すげぇ!」と思ったのは食べ物を作って売る、っていう既存の食農業界の中で、作り手の物語に価値を見出す発想をしたトコロ。

生産者の物語を冊子にして、購読者に売りつつ、その物語の主人公が作った食べ物も送るって寸法。頭いいなー。

ホームページにも、読み物と食べ物がセットになった定期購読誌と書かれています。

taberu.me

コロンブスの卵じゃないですけど、言われてみりゃそれいいねって感じだけど、最初に発想し、更に具現化した訳なのでスゴいのです。

イメージとしては格闘技の戦いの前にさんざんテレビって煽るでしょ?

あんなイメージですね。同じ戦いをやるにしても、色々もりあげて戦った方が盛り上がるっちゅうやつで。これを農業をフィールドに発想した訳。

で、これって根本的になにか新しい産業を興したっていうより、既存の現象に新しい見方を与えたってトコロがすんごい訳ですね。

いやぁ、なんか宣伝みたいになってますが、こういう発想一つで新しい価値を作るってのは、とても僕好みなのです。

天才のイラスト(男の子)

最後に著者の高橋さんが出会った漁師の千葉さんが、尊敬する地元漁師からもらったという言葉を紹介。

「海に出るときは欲は出すな。無事に帰ってくればそれでいい。拓、お前はそういう気持ちで海に向かえ。今から海にお邪魔しますからよろしくっていう気持ちだ。苦しいときにこそ欲は出てくる。でも絶対欲を出すな。あえて言うなら、その日の家族を養えるくらいだけ恵んでくださいと想いを伝えろ。そういう気持ちでいれば必ず海は助けてくれる。魚でも牡蠣でも想いは伝わる。そういう気持ちでいれば必ずよいものがとれう。大漁になる。」 

なるほどなぁという感じ。

食べる通信、これからも注目ですね。