遂にスマホで水管理の時代?続編
前回こんな記事を書きました。
これまでかなりの労力を使っていた稲作の水管理を、センサーと情報通信の技術を導入して遠隔操作できるようになりそうだ、というお話。 リモートですよ。リモート。
で、今回はその続編、実際にその商品が販売されましたよ、というお話です。
これで初めて知ったんですけど、クボタケミックスというクボタの子会社がありまして。元々は塩ビ管などの農業資材を扱っているようなのですが、SIP2次世代農林水産業創造技術なる堅苦しいバックアップをお国からもらいつつ、農業・食品産業技術総合研究機構との共同研究でこの新商品の開発を行ってきた訳なのです。
商品名、その名も「WATARAS」
Water for Agriculture, Remote Actuated Systemの略だとか。
水をわたらせる、ってことにもかけてるんでしょうね。
前回の記事では予想価格など紹介したので、今回はもすこし実際の機械について見てみます。
水田の給水口と排水口に設置するアクチュエータなるものは、こんな風に太陽光発電と内臓バッテリーのみで稼働するため電源が要らないってのはかなりいいトコロ。水田で電源を用意するのは厄介ですからね。
それでもって、主な既設給水バルブに後付けで設置することができるようなので、大規模な設置工事が要らないようです。
といっても給水バルブにも色んなタイプがありますから、どんな形状までOKなんでしょうかね。気になるトコロ。
いやぁしかし、給水時間設定によって朝でも夜でも灌漑が出来るとなれば、これまでの人間の生活リズムに縛られていた水管理はかなり次のステージに移ることになりますねぇ。
大袈裟かもしれないですけど、農業史的にも重要な一歩になるかもしれません。
だって、稲作において重要な水管理を遠隔でやるようになるなんてこれまでは有り得なかった訳ですからね。ましてや水温もわかるわけだし。
あとは実用的にどうか、という感じ。
やっぱり水っていう重要なものをデータ通信に頼っていることが不安だから、おそるおそる、スマホみたり田んぼ行ったり、という慌ただしい感じに最初はなるでしょうが、ある程度の信用が固まったらそれこそスマートになっていくのでしょうね。
ある程度現場で信用され、評判が広まり、大量生産型になれば値段もかなり下げられるでしょうし。
この技術は、去年の農業技術10大ニュースに選ばれたんですけど、個人的にはこの中でナンバー1の期待度です。かなり現場イメージが湧きますからね。
「2017年農業技術10大ニュース」の選定について:農林水産技術会議
さて、で、気になる今後のスケジュールですが、クボタケミックスの発表ではこんな感じになっております。
【先行販売受付開始】 平成30 年3 月
【先行販売開始】 平成30 年4 月初旬
【本格販売開始】 平成31 年1 月予定
【設計積算価格】 平成30 年末までに最終決定予定
という訳で、ここ2~3年でどれだけ実証例と評判が固まってくるか、というトコロ。
レビューできるならレビューしたいですね。
いずれにせよ、労力を下げるこういったテクノロジーが今後重要になってくると思うので、チェックしていきたいと思っておる昨今でした。