おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

日本農業実践学園の研修コース体験談

農学の世界にズブズブと入るようになって、研究という視点で農業を見ることが多くなった私ですが、一時期は生産者になろうと本気で画策していた時代がありました。

実家が農家でなかった私は、どうやって農業で食っていくかの具体的なイメージが湧かなかったので、農業系のアルバイト(花卉園)をしたり、親戚の農家の作業をちょっと手伝ったり、と自分なりに色々やってみたり。

で、そのとき自分なりに考えた農業世界を垣間見るための行動の一つに、農業専門学校の農業体験コースに参加した経験(2009年頃)があります。

農業に興味はあるけれど、農業に馴染みがある状況じゃないよって人は結構いると思うので、今回はその時の体験を書いてみようと思います。

 

行ったのは茨城県水戸市にある農業実践学園です。

www.nnjg04.com

色々と農業研修がある中でココを選んだ理由は、当時住んでいたのが関東だったので関東圏内が良かったのと、ネット検索で割と上位に出てきたことが理由だったと思います。あと値段と。当時も今も研修の体験談はネット上にあんまり上がっていなかったと思うので、情報はホームページで得られるものだけだったはず。

 

体験コースは、体験期間別に3つのパターンがあります。

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私が経験したのは、短期農業体験コース1週間と、中期農業研修コース1カ月の2パターン。

その経緯は、最初は短期で参加してみて結構たのしかったのと、1週間じゃ学べるものが少ないなぁとも感じたので、後に1カ月コースにも参加したのでした。

自分の関心に合わせて部門を選ぶことが出来て、①稲作 ②野菜 ③有機野菜 ④水耕栽培 ⑤畜産 ⑥農産加工 から選べるのですが、私は①稲作を選びました。

 

結論からいうとやはり長い期間のものに参加した方がより良いです。

日常的に農業に関わるということが、どういうことなのか体感的にわかりますからね。といっても、体験ですからヒーヒーいうほどの辛い作業はありません。比較的余裕をもちながら過ごせたと思います。(といっても毎朝5時半の朝礼があったりで、生活習慣は正しくなりますよ(-_-;))

体験の内容は座学のようなものはほとんどなくて、基本的に学校で行われている農作物の生産・加工・販売とった一連の作業を手伝うといった形。

体験する部門を選べるといいましたが、①稲作だけど今日は作業がないから小豆の選別とか、菜種の選別とか、オクラやナスの収穫・袋詰めとか、果ては倉庫の掃除とか、作業の領域は超広いです。私は稲作関連の作業が少ない夏に行ったので、稲作作業はすごく少なかったです('Д')

なんでもそうでしょうが、お客様気分だとダメで、色んな作業の体験を楽しんだり、分からないことは積極的に質問したりとした方が学びは多いでしょうね。

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得られる情報は責任者である農場長?やスタッフから得られるものと、後は体験に参加している者同士のコミュニケーションで得られるものがほとんど。

同じ部門に入ったメンバーとは、長時間同じ作業を共にすることになるので、話す時間が結構あります。

農業に興味がある者同士の会話ですから、色々と知らない情報を得ることが出来たり、熱い気持ちに影響されあったり。就農関係の情報も色々きけるはず。

年齢層もホントに幅広いので、世代を超えた交流がありました。

 

かかる費用でいうと割安な感触です。2018年2月12日のホームページの情報だと、

短期(1週間):2万5000円

中期(1カ月):7万3000円

長期(3カ月):20万3000円

ですからね。コレ、三食の食費・宿泊費・研修費込みですから、学校的には儲けには全然ならないはずです。

しかも!今なら高校生・大学生の短期体験は無料なので学生諸君は超お得です。

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生活面で一番印象に残ってるのは食事ですね。美味しかったので。

特に学校で作ったカスピ海ヨーグルトに自家製のブルーベリージャムをつけて食べるのは、ホントに美味でした。乳牛もいるしブルーベリーも作ってるし加工施設もありますからね。しかも農作業の後とかなので、食欲もありの自家製ごはん。コレ最高。

早寝早起き、農作業、新鮮で美味しい食事・・・これだけでも農業体験としては素晴らしく、健康にもいいような気が。まぁこれが農業の現場だと勘違いするとさすがに問題はあるでしょうけれど。

にしても、農業のいい所を経験できた気はします。

 

一カ月コースに行ったときに、生活面で印象的だったのはお風呂ですかね。

もう十年くらい前なので今はどうなってるか知りませんが、当時は大浴場みたいな所を職員も学生も体験者も皆で使っていました。シャワーがなくて、浴槽から湯を洗面器でくんで使ってくワイルドなスタイル。

一週間コースの場合は、まだ建てられたばかりの研修施設で、二段ベットが二つある四人一部屋が宿泊場所で、そこにシャワールームがあったはずです。

まぁ潔癖症の人は結構きびしいかもしれません。

 

それと、日本農業実践学園があるのは水戸市といっても内原というホントなんにもない場所で、唯一の娯楽施設のようなものが内原ジャスコでした。

車ない組は、こぞって自転車をこいで内原ジャスコに繰り出して、帰りは星をみながら帰ったり。なんというか、平成とは思えない時間感覚で生きてた気がします。

いきなりド田舎の高校生にでもなった気分。

当時はまだガラケーを使っていてネットをする時は共用のパソコンルームを使うくらいなので、本棚に置いてある農業本を読んだり、筆記で日記をかいたり、たまに友達と電話したり、とかなりアナログな生活をしてました。

なんか朝礼で国旗掲揚したり、ラジオ体操したりで、今の時代っぽくなかったんですよね。あの学校の環境そのものが。それが新鮮で、思い出としては結構いい感じで残っています。

 

と、そんなこんなで、もう既に十年ちかく経っているので色々変わっているかもしれませんが、日本農業実践学園の研修コースは農業体験としては是非おすすめですよというお話でした。農家志願者以外にも、学校の先生向けや、子供向けの体験プログラムもあるようなので、幅広い層の人にとっていいプログラムだと思ってます。興味ある人はホームページで要チェックです。

www.nnjg04.com