おコメ博士の闇米日記

オワコンと言われがちな日本のおコメ。令和のこの時代に、グローバル視点で日本でおコメを作る意味を考えます

気分で書いてみた2022年3月5日の日記

2022年3月5日(土) 2/24のロシア侵攻により開始したロシア・ウクライナ紛争は未だ着地点みえず。ルーブル暴落、石油価格や小麦高騰と全世界的に影響が続きそう。エネルギー海外依存の高い日本も当然影響は不可避だろう。 昨日は地方銀行と農協へ融資相談。…

【読書感想】「東大卒農家の右腕になる」を読みました

こんばんは。 とある農業法人で統括マネージャーをしているおコメ博士デス。 弊法人は、設立4年目のまさに“新米”稲作農業法人で、まだまだ業務改善の余地があると日々感じていた所。 そんな折、家業でもない梨園に飛び込んで業務改善を繰り返し、そのノウハ…

奥深き白濁の世界 ー2019年白未熟粒多発事件をおコメ博士が解説―

コメが、濁っている。 記念すべき令和元年、北陸地方のコメが濁りに濁っている。コメドコロ、新潟に至っては1等米比率は去年の79.7%から急落、33.1%にまで落ち込んだ(10月末時点)。 www.nikkei.com 等級が下がってしまった理由の約7割が「コメの白濁」の…

自己紹介#4 東京でも僕は「なにか」を見つけられなかった

2007年春、僕は大学生になった。 僕が入ったのは、明治学院大学の文学部(映画専攻)という所なんだけど、進学先にソコを選んだワケ(他にも中央大とかに落ちたから行ったってのもあるのだけど)は、いかにも人生をよく考えていない高校生の理由だった。 明…

自己紹介#3 おコメ博士グレる!?意味を求め始めた思春期編

自己紹介が2編続きました。 第1編 生まれる前の話↓ www.mroneofthem.work 第2編 生まれてから中学3年生までの話↓ www.mroneofthem.work 今回の第3編では、酪農地帯の田舎から北海道のメトロポリタン札幌にお上りし、はじまった高校生ライフでの紆余曲折…

自己紹介#2 おコメ博士の幼少期とってもマジメ編

前回はおコメ博士誕生前の話を書きました(↓)。今回はやっと誕生後のお話です。 www.mroneofthem.work 僕には姉がいて、今はシングルマザーとして小学生二人の子を育てている。両親の家も近いので、両親が孫を預かることも多いのだが、母が孫に宿題を教えて…

自己紹介#1 「農業なんて…」と母は思った。おコメ博士誕生前のアナザーストーリー

春。 田んぼを耕すロータリーの刃を傷つけぬようにと田んぼの石を拾い、泥まみれになりながら入排水の詰まりを解消し、日曜日は集落の共同作業に出席し、と今では僕はすっかり農業者だ。暖かくなった春に喜びつつも、今年もコメ作りが始まるなと気を引き締め…

【呪詛】魔の火曜日は合格発表の日。スマート農業加速化実証プロジェクトの公募審査結果が出ましたよ、と。

春が近づいている。今年もコメ作りの仲間たちが数か月ぶりに集い、決起集会だ精をつけるだとかこつけて焼肉屋を訪ねたが、魔の火曜日の威力は恐ろしく、A店は臨時休業、B店もC店も満席と我々を決して焼肉屋に入らせないのだった。 魔の火曜日の威力は焼肉だ…

【雑記】New Yorkに行ってきた

羽田からJFK空港(ニューヨーク)へのフライトは長かった。サービスがいい日本航空便とはいえ、185cm・83kgの日本人離れした大きな体躯をもつ僕にとっては、3列シートの中央席は、競走馬が走りだす時に入れられる身動きのとれないゲージのようなものだ。両…

メイドイン『米国』の”米”を食べてみた #1 BOTAN(286円/kg)編

ワイハのドンキで『米』を物色 不味い?美味しい?米国の米 286円/kgのカリフォルニア産カルナローリ「ボタン」のその味は 「ドン・キホーテ」といえば、中毒性のある「ドンドンドン♪、ドンキー♪、ドンキーホーテー♪」の狂った音楽が有名なディスカウントシ…

時代はスマ農?今年はじまる新事業

本日12:00。ここ数か月の間、雨の日も風の日も(屋内仕事なのでまるで関係ないけれど(^-^;))かなりのリソースを割いて取り組んできた『スマート農業加速化実証プロジェクト』の申請がようやく完了した。お上から「ちょっとここに書いてくれないか?」とい…

農業のスマート化。来年から加速する?

麦わら帽子をかぶっている田舎のおじさんでも「AI」なんて言葉を口にするのも最早普通になる程に、最近はどこのテレビ番組でもAIやら人工知能やら、パワーワードがもてはやされています。2045年頃に人工知能が人間の知性を超える!シンギュラリティとか…

どうすべき?獲れない田んぼの地力底上げ。【緑肥編】

農学部の学生時代、中古のオンボロワゴンアールを走らせ東北地方の様々な無肥料無農薬水田を調査していました。 (その時の論文はこちら↘ 当時は緑肥関連の調査はまったくしていませんでしたが・・・) iwate-u.repo.nii.ac.jp さて、どの水田も、肥料や農薬…

ちょっと変わった自己啓発本『働き方完全無双』の読書感想

ひろゆき氏(@hiroyuki_ni)の著書「働き方 完全無双」を読んで、面白かったので感想です。 働き方 完全無双 作者: ひろゆき 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2018/04/14 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 「起業」と…

日本は国際的にみて尖った農業をやることに価値があるんじゃないのかな説。

田んぼで作業をしていると、近所の人とバッタリ出くわして話に花が咲くのが農家というもの。新米農家とは言え、立ち話に関してはなかなかの腕前になりました。 さて、よくある立話の流れで、こんな風に驚かれることが多いことに気付きました。 「え?肥料を…

限界集落に移住&農業開始であっという間に3カ月が経っちゃった話

こんにちは。久しぶりのおコメ博士です。 史上初、6月にして関東甲信越の梅雨が明けるという激動の気候にさいなまされている日本ですが、僕の人生も今年4月からなかなかの激動をはじめました。 まず一つは限界集落に移住したこと。 そしてもう一つは、農業…

「冷やし中華」・・・じゃなかった、「田舎暮らし」はじめました。

久しぶりの更新。おコメ博士です。 さて、日本農業をグローバルな目線で考えようというコンセプトで開始した本ブログですが、これからは「田舎暮らし」もテーマにふんだんに取り入れてく所存です。というのも、実はここ4月から日本のとある田舎に移り住むこ…

遂にスマホで水管理の時代?続編

前回こんな記事を書きました。 www.mroneofthem.work これまでかなりの労力を使っていた稲作の水管理を、センサーと情報通信の技術を導入して遠隔操作できるようになりそうだ、というお話。 リモートですよ。リモート。 で、今回はその続編、実際にその商品…

遂にスマホで水管理の時代?

前回の記事で今の農学ってホントに農家の役に立ってるの〜?という疑問を書いてみた所ですが、「いやいやありますわな!」という意見もあるので、最近注目の研究について紹介するでござる。 ズバリ、「水田水管理のテクノロジー」でございます。 (研究成果) …

誰のために農学は鳴る?

最近かんがえていることの一つに、農学ってなんだ?ということがあります。 というのも、学部、修士、博士と3つの学生ステージで「農学」フルコースを学んできた私なのですが、「農学」が実際の生産現場にどれだけ役立っているのだろう、ということには大い…

「都市と地方をかきまぜる」の読書感想

前から気になっていたこの本を読みました。 都市と地方をかきまぜる?「食べる通信」の奇跡? (光文社新書) 作者: 高橋博之 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/09/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 20180310現在で、Amazonレビューが94件…

「戦争と農業」の読書まとめ

京大の歴史研究者である藤原辰史先生の「戦争と農業」を読んだので紹介。 なかなかドキッとするタイトル。 戦争と農業 (インターナショナル新書) 作者: 藤原辰史 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル 発売日: 2017/10/06 メディア: 新書 この商品を含…

【祝100記事記念】ブログはじめて約2か月間のアクセス数や次のチャレンジなど

2017年12月25日のクリスマスに産声をあげた当ブログは、本記事で100記事目に到達することに。パチパチパチ えーと、これまでの日数が66日、つまり100記事÷66日なので、記事の生産速度は平均1.5記事/日です。最近ちょっと放置かましてたので、前半50…

価値ある情報提供?そんなものには中指を立てていく雑談回。

ブログを始めてから2カ月ちょっと経ちまして。 初めて、1週間くらい何もブログを書かない日々を過ごしたのでちょっと不思議な感じ。 別に書くことが枯渇した訳ではなくて、ネタは山盛りあるんですが、このブログが99記事目なのでちょっと総論的なズシン…

大人は黙って地理を勉強。勉強のお供には高校地理の資料集がベストという話。

最近買って良かったと思った本に新詳地理資料という本(本?)があります。 新詳地理資料 COMPLETE 2017 作者: 帝国書院編集部 出版社/メーカー: 株式会社 帝国書院 発売日: 2017/02/25 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る 高校地理の資料集ですね…

「土を乾かす」という魔法の話。

突然ですが、コレは何の写真でしょう? そう、わかる人にはわかるアイツ。稲です。プラスチックのコップに詰めた土に育っている稲の写真ですね。一応、おコメのブログだからね。 さてさて、左の稲に比べると、ずいぶんと右の稲の生育が良いみたい。 ですが実…

自然の力を引き出すとは何ぞや、という話

そういえば昔なにかと「なんぞや」という言葉を使う先生がいましたね。 それはさておき、先日ツイッター界でこんなやりとりをしました。 日本農業を盛り上げる上で必要なことは何か。最近かんがえてるコトを書いてみました。 #はてなブログ農学博士の僕が自…

なんで農家はネコを飼う?

今週のお題「ねこ」ということで、農業におけるネコの存在を書いてみましょう。 なんかスゴく無理矢理だな、と思う人も多いでしょうが、僕の知る農業世界では実はネコがキーワードだったりします。 何故かというと、お世話になってきた農家の人達が「え?あ…

農業を俯瞰的に考える上で参考になるWebページ達

農業情報にも色々ある訳ですが、「いざ鎌倉!」ならぬ「いざ農業!」という身としては、「こうやって栽培したら上手くいったよ」というのが一番知りたいトコロ。 でも少し長期的に農業の方向性などを考えようとすると、「有機農業をしてる人は日本にはどれく…

農法間の不毛な争いは辞めにしない?

農業に馴染みがない一般の人からすると何のことやらと思うかもしれませんが、農業は農業でも、「農業のやり方」における争いは非常に熾烈だったりします。 慣行農法と有機農法の間しかり、有機農法の自然農法の間しかり、自然農法と自然栽培の間しかり。 私…